あるべきでない「ロレックスマラソン」
一般にスイスでの時計師の雇用の保障は手厚いといわれる。そして、順調にビジネスを進めている高級ブランドであればあるほど組織の体力が強く、内部留保が多い。
そうした企業は、コロナに耐えることができた。
コロナ禍が始まって以来、「コスモグラフ デイトナ」に限らず、ロレックスのスポーツモデルは完全な品薄状態になっている。
「デイトナマラソン」は本当に、あるべきでない「ロレックスマラソン」に姿を変えてしまったのである。
新型コロナウイルスは腕時計の世界全てに影響を及ぼし、それはロレックスも例外ではなかった。コロナで進行した現在のロレックスの品薄状態は、それが現在まで続き、治癒される気配がない。
※本稿は、『ロレックスが買えない。』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。
『ロレックスが買えない。』(著:並木浩一/CCCメディアハウス)
男にとって人気ブランドの超定番といえば「ロレックス」。2023年のいま、ほぼすべての人気モデルが店頭から消えた。いったい、どこに消えたのか。その背景とはいったい? そして、お目当てのロレックスを購入したい人々にとって、納得できる代案は? ロレックスを買いたい人、買えない人。いまのところ買う機会はないが関心のある人――にとって必読の書です。