母との確執を解いてからの変化

わたしは母からされたこと、言われたことが、トラウマのようになっていました。
思い出したくない過去だったのです。

ですが母との確執を解いてから、そこに変化が生まれました。

過去の記憶はなくなりません。ですが、それがつらい記憶ではなく、ただの記憶になったのです。思い出しても平気になったのですよね。

それは、わたしにとって大きな変化でした。

 

娘との関わりの中で、母を思い出すことが多いんですよね。
たとえば、声色やトーン、言い方。つい母から言われてイヤだったような言い回しを娘にしてしまう、そのたび、わたし自身の中に母を見つけることが多いのですね。

母が嫌いだった頃は、自分の中に母を見つけると、「いやーーー」と、全身で自分を嫌悪する感覚がありました。そのたびに自分を嫌いになっていくようでとてもつらかったです。なので母を反面教師にして、似ないように、同じことをしないように、とそれを一番に考えておりました。

 

さて、今はどうかと言いますと、
やはり、声色やトーン、言い回しが、母を彷彿とさせることは同じようにあります。ですが、母が嫌いではなくなってから、自分が母に似ていることが嫌ではなくなったのです。娘から、
「今の言い方、おばあちゃんみたい」
と言われても、懐かしいね、と返せるようになりました。

「わたし、おばあちゃんみたいに、キツい言い方してた? ごめんなさいね、はははは」
「おばあちゃんよりママの方がキツいよ! おばあちゃんがかわいそう!」
「ひどい〜それはさすがにないでしょう!」
なんて、冗談交じりに話せるようになったのです。

事実は消えませんが、忘れたい過去ではなく、思い出しても平気な過去になったこと。これは、大きな収穫でした。

『母が嫌いだったわたしが母になった』(著:青木さやか/KADOKAWA)