少しずつ運に見放され始める

70年代後半はテレビ全盛時代。オーディション番組もたくさんあり、私も早くデビューしたくてチャレンジしましたが、『君こそスターだ!』には2回目で落ちて…。このへんから少しずつ運に見放され始めるんです。

デビュー前、高校生のころ(写真提供◎井上さん)

『スター誕生!』では決戦大会まで行きました。14歳の時です。いよいよ歌手になれるかもと自分も思っていたし、友達も応援してくれていました。でも最後のプラカードの時間、レコード会社やプロダクションから1枚も上がらなかった…。

実はこの『スター誕生!』の決戦大会の直前、私だけ番組スタッフに呼び出されて
「この先、デビューしたら東京に出ることになるけど、いい?」と聞かれたりしたんです。これは合格するんだな、歌手になるんだな、と思いますよね。それなのにプラカードゼロ。余計ショックでした。