1番の転機は娘が生まれたこと

インタビューは1年半に及びました。いろいろ話す中で改めて思ったのは、人生の大きな転機となったのは娘・趣里の誕生だった、ということでした。

「僕は、出会いにはすべて意味があると考えています」

元キャンディーズの伊藤蘭さんと結婚したのは、89年。その翌年、僕が38歳のとき、娘の趣里が生まれました。偶然にも誕生日が優作ちゃんと同じ9月21日でね。その前年に優作ちゃんが亡くなり、打ちのめされていましたが、娘の誕生のおかげで喜びが訪れました。

実はその数年前から、いつ俳優を辞めてもいいという気持ちでいたんです。でもあるとき、僕は検査入院することになり、蘭さんが娘を抱いてお見舞いにきてくれました。まだ赤ちゃんですからねぇ、あどけないんですよ。その表情を見ているうちに、「できる限り仕事を続けよう」という気持ちが、自然にふ~っと湧いてきた。もちろんオファーあっての世界ですから、続けられるかどうかはわかりませんが、気持ち的には大きく変わりました。

娘が小さい頃は、仕事量がそれほど多くなかったこともあり、幼稚園の送り迎えはもっぱら僕の役目。自転車に乗せて、幼稚園に連れていっていました。お迎えにいった流れでママ友の家にあがりこんで、みんなと一緒にお茶を飲みながらおしゃべりしたり(笑)。僕ほど子どもの送り迎えをする父親は、そういなかったと思いますよ。