小学生の頃(提供:石川ひとみさん)

いつもお腹が空いていた新人時代

「4年間、東京で頑張らせてほしい」と両親と約束し、1978年3月、高校を卒業した3日後に上京しました。同時期に寮に入ったのは、桑江知子さんと松原みきさん。寮には他に、先輩にあたるリリーズのお2人や、トライアングルのマミさんらがいらっしゃいました。

芸能界に入ってまず感じたのは、男の人しかいない世界だなということ。当時、女性のマネージャーさんは皆無で、周囲はおじさんばかり。唯一、事務所のデスクの方だけが女性でした。また当時のマネージャーさんが全然お腹が空かない人で、私も人見知りだったため「お腹が空きました」が言えなくて。仕事をしながら「いつご飯が食べられるんだろう?」と、そればかり考えていたことを覚えています。(笑)

今はテレビ局へ行けばお弁当がありますが、当時はそうではなく、唯一用意されていたのがザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』の楽屋でした。この番組は各地の市民会館やホールで録られていたため、不便のないよう手配されていたのかもしれません。

あの頃は歌番組が毎日のようにあり、しかもその多くが生放送・生演奏。今では信じられないことですが、進行が押した際には、時間内に収めるために曲のテンポが速くなることもありました。勝手にテンポを変えるってすごいですよね(笑)。おそらく生演奏だからできたのだと思います。『8時だョ!全員集合』のようなバラエティ番組でも、ゲストの歌手が持ち歌を歌うコーナーがあったのも、振り返ると懐かしいです。