「お客さまの生の反応、見にきてくださる方のダイレクトな感想が表情から目の当たりにできる、それが演じる側の舞台の醍醐味です」(撮影◎本社 奥西義和 以下すべて)
2022年、NHKの朝ドラ『ちむどんどん』で、主人公に恋する青年役が印象的だった俳優・前田公輝さん。6歳から芸能界に入り、『天才てれびくんMAX』の“てれび戦士”として活躍してきた前田さんが、これまで歩んできたのは決して平坦な道ではありませんでした。悪役ばかりを演じた20代、そして子役時代から積み上げてきた何もかもが0になる経験を経て、前田さんはこの秋にミュージカル『スリル・ミー』に出演します。今まで演じてきたどんな役とも違うという2人芝居の「彼」役。味わった挫折や、支えてくれた家族のことなどを、語っていただきました。(構成◎岡宗真由子 撮影◎本社 奥西義和)

朝ドラに出たくてしょうがなかった10代の頃

『ちむどんどん』の砂川智役以来、好青年のイメージで見ていただくのですが、僕はこれまでヒール役をたくさん演じてきました。

母が、マナーやコミュニケーションを身につけさせようと、ホリプロの子役養成所に入れてくれました。そこからご縁をいただいて子どもの頃から芸能界でお仕事をし、その後俳優としても、さまざまな話題作に呼んでいただきました。

でも俳優をやる以上、全国の方、そして老若男女の方にもっと名前を知っていただきたいという欲が出てきました。NHKの「朝ドラ」出演は、それを叶えてくれると思っていましたし、「朝ドラ俳優の※※さん」と声をかけていただく機会も増えました。

朝ドラには10代の頃から書類審査に申し込み、オーディションにも挑戦していましたが、これまでは残念なことに最終審査までいくことはありませんでした。30歳を過ぎて、決まった時は本当に嬉しかったです。