朝ドラで初めて恋する男を演じました

初めは不本意だったヒール役を一つ一つ誠実に演じていた時期に、突然、朝ドラの話をいただいたんです。それも恋する好青年役。驚きましたね、マネージャーから電話で聞かされた時は駅にいたんですけど、嬉しくて嬉しくて高い声で「まじっすかー!」と言って、周りに人がいるのにずーっとニヤけてしまいました。

その時は、たまたま他に2つのお仕事と重なっていたので昼も夜もわからないくらいの忙しさで。朝ドラは台本を読み込むのにも時間がかかります。大抵のドラマが数ヵ月、数年間の出来事を描くものですが、朝ドラで描かれるのは何十年、人の一生分の時間が描かれている。そんな意味でも特別な体験をさせていただいて、感謝ですね。

実際、僕の役者人生も一変するくらい大きなお仕事でした。僕はそれまであまり恋愛ものに出演することがなくて、朝ドラで初めて長い長い片思いをする人間を演じることに。恋愛ドラマに慣れた役者さんだったら、キスはこの角度だとか、女優さんの生かし方とかご存じなのかもしれませんが、僕はある意味まっさらだったので、100%振りかぶって智役を演じました。やりすぎなら演出家の方に止めていただけるだろうと思って飛び込んだ感じです。それも含めて好評の声をいただけた感触があって、嬉しかったですね。