20年前の曲もそのまま歌いたい

もちろん僕も17、8歳のころの声と今の声は違いますよ。少年の声から大人の声になる。でも、出し方が変わるだけでキーは変わらないんです。40代、50代となるにつれて声質も変わってきますが、不思議なもんでキーはキープできる。そうすると曲のイメージが変わらない。

たとえば、南こうせつさんの「神田川」。あれはEマイナーだからこそあの味が出るんです。
こうせつさんとはデビュー当時からのお付き合いで、親しくさせていただいてます。あの人も『全日本歌謡選手権』にプロモーションとして出場していたんだけど、2、3週勝ち抜いたところで「もういいや」って自分からやめちゃった。(笑)

彼も絶対にキーを変えないタイプ! 「キーを変えない歌手だけで集まってなんかやろうか」みたいな話までしているほど、それをお互いに自慢にしてますからね。わかる人たちにはわかるんです。(笑)

昔は生演奏で歌っていますから、バンドやオーケストラの人たちの譜面をその場で半音下げて、なんて言えませんから。20年前の曲もそのまま歌いたい。そうじゃないと別の曲になってしまうということを歌手がわかっていないといけない。
そういう意味では、歌手というのは苛酷な仕事かもしれません。

●あなたとアイマショー”vol.2 新宿駅から

※次回は「五木ひろしが語る~~昭和歌謡史(4)」をお届けします。


9月20日発売シングル「時は流れて・・・/あゝ上野駅/あなたに

●9月19日(火)、20日(水)
五木ひろしコンサート in SHIBUYA ~よこはま・たそがれから時は流れて~

●10月3日(火)、4日(水)
五木ひろしコンサート in shinkabukiza ~よこはま・たそがれから時は流れて~

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コンサート情報五木ひろし公式サイト