介護中のブレイクタイムは犬にとってもメリット

高齢の彼女がその後、犬を飼うことはなかったが、数年たった今でもキミコさんをたびたび訪ね、お菓子を届けてくれるという。

彼女にとって、キミコさんの救いの手は、それほど大きな意味を持ち、彼女の心を救った。

人は、窮地に陥ると、まともな判断を失う。まじめな人ほど、他人に頼るのはよくないと、ひとりで抱え込んでしまう。

しかし、愛犬であれ、人間であれ、介護はきれいごとでは終わらない。

そのとき、周囲に助けてくれる人がいるか、相談できる人がいるかで、介護の質も自分の気持ちも大きく変わってくる。

そして少しでも介護中のブレイクタイムを確保できれば、自分自身もまた愛犬に優しく接することができるということだ。

それは、愛犬にとっても大きなメリットになる。犬はいつも飼い主が変わらぬ笑顔で愛情を持って接してくれることを願っているからだ。