「子どもには、親と精神的に親密な関係が築けていないことを訴える術がない」(イラスト:有栖)

 

家庭環境は平凡だけど親が嫌い、「本当にやりたいこと」が見つからない、恋愛が苦手…こうした「生きづらさ」を抱える人は多いのではないでしょうか。もしかしたらその原因は、幼少期にあるかもしれません。子どもたちを苦しめる精神的に未熟な親の問題を取り上げ、全世界で共感を生んだ『親といるとなぜか苦しい』より、見た目は大人でも精神年齢は子どものまま、成長できなかった原因を紹介します。

判断や説明が難しい孤独

自分のことしか考えない親にかまってもらえなかった子どもが、幼少期に孤独におちいり、大人になって苦しむことがある。孤独がずっと続いているようなら、子どものころに精神的な世話をきちんとしてもらえなかった可能性が考えられる。

こうした親の行動は、一見ごくふつうであることも多い。子どもの健康を気にかけ、食事もきちんと与え、安全にも気を配っている。だが、子どもとの間にしっかりとした精神的な絆を築いていないと、子どもは心から安心することができない。

親にかまってもらえないために味わう孤独の痛みは、体の傷の痛みとなんら変わらない。表に現れないだけだ。

精神的な孤独は自分の中の感覚なので、判断や説明が難しい。「むなしい」とか、「寄る辺ない気持ち」と表現されるかもしれない。「実存的孤独」と言われることもある。理由のわからない孤独を感じているとしたら、その原因はおそらく「家族」にある。