つながりを強く求める

内在化タイプに共通点があるとすれば「内なる経験を分かち合いたい」という思いだろう。

子どものころから彼らが求めるのが、精神的なつながりだ。だから、精神的にかかわろうとしてくれない人や無表情な人のそばにいると、心が傷つく。

その人とつながっているというかすかな証しを求めて、相手のしぐさを必死に読みとる。これは、おしゃべりしたいといった欲望とはちがう。自分を理解してくれる、わかり合える人と心でつながりたいという強い渇望だ。

乳児がしっかりとした愛着を形成していくには、親からの感情的な反応や意思の疎通が欠かせない。親子の絆はそうやってつくられていく。

研究によれば、しっかりとした愛着を形成した乳児でも、母親が反応するのをやめ、無表情になると、不安を覚えて泣き出すという(トロニック、アダムソン、ブラゼルトン、1975年)。

自分のことしか考えない親に育てられる内在化タイプの子どもは、親が喜ぶことをして、自分の欲求を隠していれば、親に愛してもらえると考えることが多い。相手のことを大事にして優先していれば、つながりを築けると信じているのだ。

 

※本稿は、『親といるとなぜ苦しいのか』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。


親といるとなぜか苦しい――「親という呪い」から自由になる方法』(著:リンジー・C・ギブソン、監修:岡田尊司、翻訳:岩田佳代子/東洋経済新報社)

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「親のために努力し続けて、しんどい――そんな自分に気づき、涙が止まりません」
「共感できることがありすぎて、すべてのページにマーカーを引きたい」
「未熟な親のもとで育ち、自分を大切にする方法を知らなかった私のために書かれた本」
「これほど人生が変わる本はなかった!」

見た目は大人だが、精神年齢は子どものままの親が子どもを苦しめる。
愛したいのに愛せない親を持つ人が「心の重荷」を降ろす方法