「自分が機嫌よくいられるために子どもを利用し、しばしば親子の役割を逆転させ、有無を言わせず子どもを大人の問題に巻きこむ」(イラスト:有栖)
家庭環境は平凡だけど親が嫌い、「本当にやりたいこと」が見つからない、恋愛が苦手…こうした「生きづらさ」を抱える人は多いのではないでしょうか。もしかしたらその原因は、幼少期にあるかもしれません。子どもたちを苦しめる精神的に未熟な親の問題を取り上げ、全世界で共感を生んだ『親といるとなぜか苦しい』より、いつまでも「幼稚なままの親」4つのタイプをご紹介します。

「ご機嫌取りに子どもを利用する」

精神的に未熟な親にもさまざまなタイプがあるが、子どもに孤独や不安な思いをさせるのはいずれも同じだ。愛情を与える方法は基本的に1つだが、子どもが愛情を求める気持ちを台なしにする方法はたくさんある。

精神的に未熟な親は、その未熟さのタイプに応じて4つにわけられる。どのタイプも、形はちがえど子どもの気持ちに鈍感で、不安をもたらす。

すべてのタイプの根底には精神的な未熟さがある。いずれも傾向として、自分のことしか考えず、やたらと自己評価が高く、精神的に頼りにできない。

また、わがままで無神経、親密になるための能力がとぼしい、といった特徴がある。一様に不適応な対処戦略で現実に対処するのではなく、現実をゆがめる(ヴァイラント、2000 年)。

そしてどのタイプも、自分が機嫌よくいられるために子どもを利用し、しばしば親子の役割を逆転させ、有無を言わせず子どもを大人の問題に巻きこむ。