敏感性が低い母親の特徴

だが不安定な愛着行動を示す母親の行動はちがう。次に紹介するのはエインスワースらが言う敏感性の低い母親像だ。

『親といるとなぜか苦しい――「親という呪い」から自由になる方法』(著:リンジー・C・ギブソン、監修:岡田尊司、翻訳:岩田佳代子/東洋経済新報社)

敏感性の低い母親は乳児の行動の多くに気づかない。乳児を無視するか、かすかでわかりづらいコミュニケーションを認識できないのだ。行動に気づいても、その意味が理解できずゆがめて考えることも多い。

多少は理解できていても、共感はむずかしい。そのため適切なコミュニケーションがとれない。対応ができてもその種類や質が不適切なことが多い。つまりちぐはぐで中身がないのだ(エインスワース、ベル、ステイトン、1974年)。

要するに、母親の敏感性と共感力のレベルが、母子関係における乳児の愛着行動の質に多大な影響をおよぼしているのだ。