望みをかなえるための手段が乏しい

加えて、他者の感情に共鳴する力がとぼしい。相手の心の境界線を平気でずかずか越えていくか、まったくかかわろうとしないという、両極端な問題も抱えている。

ほとんどのタイプが苛立ちに対する耐性が低く、自分の望みをかなえたければ、言葉でのコミュニケーションよりも精神的な駆け引きをしたり、相手を脅したりする。

どのタイプも、子どもを独立した個人とみなすことを拒み、あくまでも自分の欲求にもとづいて自分にしばりつけておく。そしてすべてのタイプで、子どもは最終的に「自己喪失」(ボーエン、1978 年)を感じるようになる。

各タイプについてみていく前に、かつての研究――多様な子育てのタイプが乳児の愛着行動の質におよぼす影響――についてかんたんにおさらいしておこう。