「有名と一流は違う!」といわれて

サワイイ時代は、寝る間も惜しんで人一倍練習に励みました。しかし、そんな私を見て、公子さんからさらなる叱咤(しった)が……。

「あなたはそれだけ練習しても、一つひとつの意味がわからずにやっているからダメなの。がんばって練習している自分に安心感を覚えるタイプだから、間違った方向に行きやすい。すべてに意味があると覚えておきなさい。自分の癖が出ないように、基礎をしっかり反復練習することが大事。そうすると意味がわかってくる。丸暗記の練習では、臨機応変に対応できませんよ」と。

多くの人から支持され、繁盛店になるのには、それなりの理由があるのだと納得できるのです(写真提供:株式会社GLAD)

まったくその通りだなと思いました。

私は小学校時代に勉強をしてこなかったので、中学時代からはとにかく丸暗記でテストを乗り切ってきました。その習い性が体に染み込んでいたのでしょう。

ここから丸暗記の人生が変わりました。すべての意味をとことん考え、深く掘り下げて理解するように努めたのです。

結局、サワイイには8年勤めました。澤飯公子さんは、私の人生を180度変えてくれた恩人といえます。

私がテレビで活躍するようになってからも、「有名と一流は違う。あなたは有名になったけれど、まだ一流ではない」という辛口批評は50歳になるまで続きました。