高齢者の中途覚醒の原因
高齢者の中途覚醒の原因としては、加齢にともなって眠りが浅くなっているため、ちょっとした物音などで目が覚めてしまうこと、また、昼寝の時間が長すぎたり、日中の活動量が少なかったりすることも考えられます。
昼間にからだをしっかり動かすことが少ないと、体内時計のメリハリがつかなくなって眠りが浅くなり、途中で目が覚めやすくなるのです。
さらに高齢者では夜間頻尿による中途覚醒も多く、この場合は頻尿の原因・状態に応じた治療や対策をとることが大切です。
そのほか、睡眠中に一時的に気道が塞がる「睡眠時無呼吸症候群」や、脚に不快感が生じる「むずむず脚症候群」、睡眠中に異常な行動が現れる「レム睡眠行動障害」、脚が勝手に動く「周期性四肢運動」など、何らかの病気が眠りを妨げていることもあります。
夜中に目が覚めてしまったときの症状・状況をよく確認し、こうした病気の有無を調べてもらうことも必要です。
※本稿は、『名医が答える! 不眠 睡眠障害 治療大全』(講談社)の一部を再編集したものです。
『名医が答える! 不眠 睡眠障害 治療大全』(監:井上雄一/講談社)
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