「世間並みの幸福」ではなく「自分にとっての幸福」

僕の友人の息子さんは、都内の一流私立大学卒で一部上場の企業に勤めていました。しかしハードワークがたたってうつになり、闘病の末、結局、退職しました。

現在は病気が改善し、社会に戻りましたが非正規雇用です。年収も以前の半分程度まで減ってしまいました。婚約も破談になってしまったそうです。

大事なのは「心のものさしを変える」こと(写真:本社写真部)

でも、破談になった理由は、決して年収が減ったことではないのです。それは彼がことあるごとに「自分の人生、これからどうなっちゃうんだろう」と、愚痴をこぼすからです。

同期の友人は一流企業に勤めて家庭を持っている。なかには一戸建てを建てている人もいるのに、「どうして自分は……」と自分を責めるそうです。親は「まだ人生は長いんだ、あきらめるな」と慰めるのですが、そんな言葉に涙するそうです。

息子さんの気持ちはわかります。でも彼は当面、その過酷な現実を受け入れていかざるをえないのです。そこで大事になるのが、自己変容です。

「世間並みの幸福」ではなく「自分にとっての幸福」を手に入れるように意識を改革すること、つまり、「心のものさし」を変えるのです。そこで「自分らしく生きればいいじゃないか、そうアドバイスしてあげて」と、僕は友人に語りました。