普通にならなくていいじゃない

「生活できない」という意識のなかには、「現在の生活水準を落とすのは嫌だ」という気持ちが、「次に安定した仕事が見つかるかわからない」という不安のなかには、「いまと同等の条件以下の仕事はイヤだ」とか「正社員でないと恰好がつかない」というプライドの問題が潜んでいるようです。

プライドさえ捨てられれば、嫌な仕事を辞めてしまえるはずです。でもプライドを捨てるのはとても難しい。とくに男性は「世間体」を気にして、肩書や所属する組織などで人間を判断する傾向が強いもの。社会的な挫折に弱いのです。

『ちょうどいいわがまま』(著:鎌田實/かんき出版)

それだからこそ「普通にならなくていいじゃない」と、僕は自分にアドバイスします。

他人と比べて「人並み」を追求すると、過去を悔やむことが多くなるのです。それはつまり、現在を生ききれていないということであり、それを引きずると未来への希望を見出せなくなるのです。

大事なのは「心のものさしを変える」こと。自分のなかにある「普通」という価値観を変えていくことです。