“人並みの人生”という概念にとらわれないわがまま
実際に、心のものさしを変えた青年を知っています。いまから8年前、他県からこの地にやってきました。学校の先生をしていたそうですが、その後いろいろな仕事に挑戦し、現在は伐採の仕事をしています。お母さんが僕の本のファンだと言って、ときどき僕の家の周りの草刈りをしてくれます。
結婚して子どもが3人。贅沢はできないけど、心地よい幸せに包まれていると言っていました。「臨時教師なら、すぐに仕事が見つかるんじゃない?」と水を向けたことがありますが、「自分は自然を相手にしているいまの仕事がいい」という答え。楽しいと言うのです。本当にニコニコして楽しそうなのです。彼は心のものさしを変えたのだなと思いました。
見方を変えてみれば、人並みの人生なんて、つまらなそう。そう考えれば、人並みの人生に縛られる必要はないかもしれません。
ちょうどいいわがままという考え方ができるようになれば、人並みの人生という呪縛から解放される……元教師の彼の生き方を見て、強く思いました。
*うまくいかないときは「心のものさし」を変える。
※本稿は、『ちょうどいいわがまま』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
『ちょうどいいわがまま』(著:鎌田實/かんき出版)
「ちょうどいいわがまま」という生き方が、いまの時代の日本人に必要です。
こんな閉塞した時代にこそ「わがまま」が大事になるのです。
「もっととんがれ!」のすすめです。
「とんがれる人は、もっと、とんがっていい」と僕は思っています。
腹を据えて、チャレンジする姿勢しか、この国を元気にする方策はありません。
適度なわがままの幅を広げながら、一度きりの人生、欲望を解放させてみませんか。