本当によかったですね。渥美清さんはもう亡くなられていたけど、勘三郎さんはさぞこの受賞を大喜びなさったことでしょう。
――「やるね、やるもんだね」なんて言ってね、勘三郎さん、大喜びしてくれました。あのね、一つの作品であんなに賞をもらうでしょ。そしたら世の中がらりと変わるものですね。役が少しよくなったし、仕事の量も増えました。
これで、若い身空でオジサンだった僕のところに来てくれた家内に、少しは楽させてやれるようになりましたからね。
本当によかったですね。渥美清さんはもう亡くなられていたけど、勘三郎さんはさぞこの受賞を大喜びなさったことでしょう。
――「やるね、やるもんだね」なんて言ってね、勘三郎さん、大喜びしてくれました。あのね、一つの作品であんなに賞をもらうでしょ。そしたら世の中がらりと変わるものですね。役が少しよくなったし、仕事の量も増えました。
これで、若い身空でオジサンだった僕のところに来てくれた家内に、少しは楽させてやれるようになりましたからね。
1948年兵庫県生まれ。日本大学芸術学部映画学科在学中に「自由劇場」に参加。退団後は映像にも活躍の場を広げ、映画『武士の一分』では第30回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など数々の映画賞を受賞。主な出演作に「男はつらいよ」シリーズ、「釣りバカ日誌」シリーズ、コクーン歌舞伎ほか。最新の出演作は映画『沈黙の艦隊』(9月29日公開)、『コーポ・ア・コーポ』(11月17日公開)
雑誌記者を経て、エッセイストに。1981年『日本の鶯――堀口大學聞書き』で日本エッセイスト・クラブ賞、角川短歌愛読者賞受賞。96年『花の脇役』で講談社エッセイ賞、2000年『芸づくし忠臣蔵』で読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。『勘三郎伝説』『客席から見染めたひと』ほか著書多数。最新刊『銀座で逢ったひと』(小社刊)が好評発売中