筆者の関容子さん(左)と

 

本当によかったですね。渥美清さんはもう亡くなられていたけど、勘三郎さんはさぞこの受賞を大喜びなさったことでしょう。

――「やるね、やるもんだね」なんて言ってね、勘三郎さん、大喜びしてくれました。あのね、一つの作品であんなに賞をもらうでしょ。そしたら世の中がらりと変わるものですね。役が少しよくなったし、仕事の量も増えました。

これで、若い身空でオジサンだった僕のところに来てくれた家内に、少しは楽させてやれるようになりましたからね。

 

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