北海道の友人が送ってくれた「坊ちゃんカボチャ」。チンして食べた。うまかった。一人用だった。

 

夏場、あたしはピナコスタイルになる。

え? 知らない?

漫画『鋼の錬金術師』(ハガレン)に出てくるおばあさん。髪をひっつめにして頭頂でくくって高々とひとまとめにしている。『ムーミン』にも同じ髪型のキャラが出てきたが、あたしはムーミンよりハガレンの方を熟読したので、どうしてもこっちが先だ。

あたしはもう何十年も同じヘアスタイルをしている。パーマかけっぱなしの長い髪。そして夏場はピナコになる。

今年は暑かった上に、バレエとズンバのだぶるぱんちで、うっとうしくてたまらず、例年より早くピナコになり、そして一夏それだった。涼しいし、すっきりしてるし、櫛は通る。パーマ代もかからない。このままピナコ頭で生きるかと考えぬでもなかった。

暑くて暑くて、秋とか冬とか、おでんとかストーブとか、ほっこりなつかしいものはいつまでたっても来ないんじゃないかと観念していたら、諸行は無常である。そろりそろりと夏がゆき、酷い暑さもおさまってきた。外に出ていって、仕事向きの顔をして人に会うことも増えてきた。それで気になり始めたのが、ピナコ頭の前頭部の禿げ。そして両鬢からモシャモシャと突き出した白髪なんである。

ピナコ頭はきゅうっとくくり上げるから、パーマが伸びる。ゴムを取ったら無惨な蓬髪である。夏の初めはふわっとまとめようとするが、まとめられるが、次第にパーマが取れてきて、まとまらなくなる。それでどんどんくくり上げ方が強くなる。しかもつねに同じところをくくり上げるから、髪のひっぱられたところが、なんだか禿げに見えてきた。額の上のあたりの白髪の中に、うっすら禿げが、見えるような見えないような。

他のところも薄くなりつつあるのかもしれない。頭頂部や後頭部は、自分じゃ見えないから気にならないだけなのかもしれない。

これまで男の禿げを差別したことがないし、どっちかというと禿げた男が好きだった。七年前に死んだ夫も禿げた頭が魅力だった。だから自分が禿げたって困りゃしないが、思へば遠く来たもんだ(中原中也の声をお借りしました)という思いはある。