人生に確実なことなどないとわかる

自分の人生について想像することは、「世の中に確かな答えなんてない」ということに気づく訓練にもなるでしょう。人生で確実なことなんてない、100パーセントすべてが思うままにいくことなんてないからです。

しかし今の学生を見ていると、何ごとにも「正解」を見つけようとしていると感じます。「どれが正しい答えか」を、楽な方法で探して飛びつこうとしています。

真っすぐ進まなくても、途中でよそ見や寄り道、休憩をしてもいい(写真:本社写真部)

さまざまな可能性に想像が及ばず、何ごとにも既成の道がある、答えがあると思い込んでしまっている人は、いざ失敗したときには弱いものです。

反対に、「世の中には正解なんてないし、むしろ答えのない問いのほうが多い」ということを心から理解できている人は、試行錯誤ができます。

「こんなふうにしたらどうなるんだろう」、あるいは「こういう問題をほうっておくとどうなるのか」「これに取り組むと、自分にどんなことが降りかかってきそうか」などと、想像力を働かせてシミュレーションができるのです。

そういう人は、「失敗してもいいから挑戦してみよう」と考えられるし、失敗しても容易に立ち上がって、乗り越えたり、他の道を探ったりすることができます。