口に広がる香り旨味、そして食感

つくねやハンバーグ、肉だんごなどは、ひき肉をまとめるための小麦粉や片栗粉、卵などのつなぎを使うのが一般的ですが、今日のつくねはノーつなぎ! それでも肉がまとまるのはエノキのおかげです。

刻んで加えたエノキのチュルンとした粘り気がつなぎの役目を果たし、さらにエノキ自体の旨味も加わるので、それはもう「絶対美味しいやつ」になるわけです。

蒸し上がったきのことつくねを口に入れると、ムチッ!チュルン!ザクッ! きのこの香り、旨味とともにつくねからはミョウガのザクッと食感と香りが広がります。

スダチを搾れば、しっとりとした秋の気配。
日本酒をぐびっ。
もう一回、お月見をしたい気分です。

 

●余ったきのこでもう1品〈カリカリ焼ききのこ〉

焼ききのこは何度食べても飽きません。少し多めの油でマイタケとエノキダケを広げてじっくりカリッと焼くだけ。蒸したきのことはまったく違う、香ばしさと凝縮した旨味がヤミツキ! 余ったきのこで、ぜひ作ってみてください。

 


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ごはんに化ける ズルイおつまみ
(著:藤岡操/EDITORS)発売中!

コロナ禍のいま、自宅で楽しむおつまみの本が人気です。
私は飲むけれどパートナーは飲まないというケースや、お酒を嗜む夫婦のほかに子どもがいるケースも少なくはありません。
そこで、ワインのおつまみだけど、ちょっとしたアレンジで晩御飯のおかずにもなる! 1品つくれば家族みんなで楽しめるそんなレシピを集めました。
難しいことも面倒なこともなし。身近な食材と調味料の組み合わせだけで、楽しみはうんと広がります。どこで売っているのか分からないおしゃれ過ぎる食材も使用していません。食材も、料理の工程も少ないものばかりです。
揚げ物を食べたいけれど衣の準備が面倒……ならば、春巻きの皮を使ってパリッと焼こう!
冷蔵庫に肉も魚もない……ならば、ゆで卵と粉チーズでご馳走にしちゃおう!
和風の煮物とワインを合わせたい……ならばオリーブオイルと黒コショウをかけるだけで相性抜群に!
そんな気楽な発想で、ワインと一緒の晩ごはんを自由にのびのび楽しみませんか?
版型はコロンとした正方形に近い可愛いかたち。簡単な工程なので、本と睨めっこする必要はありません。いつまでも手元に置いておきたい、パラパラ眺めるだけで楽しくなれるそんなレシピ本です。