量をセーブすればと言い訳しながら

現在の私は、いっぱしの酒飲みになったばかりか、周囲にも迷惑をかけるようになってしまった。友人たちとおしゃべりしている時も、「私の好きなビールは、Aなんだよ」「のど越し、苦みがおいしいんだよねえ」などとアピール。そのせいでわが家を訪れる客たちは、気を使って私好みの銘柄を手土産に持ってきてくれるようになった。

さらに飲み方についても、「缶のままで飲むよりはコップがいい」「あまり泡のあるのは好きじゃない」「コップを斜めにすると、泡の量がちょうどよくなる」など、独自のこだわりをひけらかしているのである。

飲むと気が大きくなり、普段言わないようなことも言ってしまうらしい。近所に住む妹や親戚がわが家によく集まっておしゃべりをするのだが、私だけが飲んでいる。そうすると後日妹に、酔った私の行きすぎた言動を注意されることが多々あるのだ。

そしてそんな姿ばかり見せているから、新型コロナウイルスの感染症対策で休校中の姪っ子を預かった時には、「おばちゃん、今日はビール飲まないの?」と言われ、恥ずかしかった。

またある時は、酔って帰ってパジャマに着替えようとしてよろけ、木製ソファの角に胸をぶつけたこともある。朝になって起きようとしたら、痛みで息ができなかった。数日我慢したが治まらないので病院に行くと、肋骨にちょっぴりヒビが入っていた。