通巻1600号を迎えた『婦人公論』。創刊以来、女性をとりまくさまざまな問題にスポットを当てて、自分らしく生きたいと願う読者に寄り添ってきました。その歴史はまさに《女性の生き方》の研究の積み重ねでもあります。107年間、女性の体の悩みも伝えてきた『婦人公論』が、これまでどのように「更年期」をとりあげてきたのか、振り返ってみました
更年期の前の大問題
記事のタイトルに「更年期」が出てくるのは、1955(昭和30)年6月号。16(大正5)年の創刊から39年も経っています。
じつは、女性の体や体調にまつわる記事では「生理」が圧倒的に多く、創刊まもない時期からほぼ毎号、生理に関連したなんらかの記事が掲載されています。
その内容はというと、昭和初期くらいまでは、医師による生理という身体現象の医学的解説やアドバイスがメイン。当時はまだ昔ながらの風習や経験に基づく対処方法が一般的だったため、西洋医学の知識は《新常識》として読まれたのではないかと推察されます。
37(昭和12)年頃からは、「職業婦人に生理休暇を!」などという記事が多くなり、社会に進出する女性たちが増えてきたこと、またそこに生まれた女性への差別に異を唱える風潮が強まってきた状況が見えてきます。