ベータマックス対VHSの敗戦から得た教訓

結局、世の中にベータマックスを受け入れてもらえなかったことについて、私だけでなく、みんなが感じたことがありました。

ソニーはどっちかと言うと、クオリティでは絶対負けないという思いを持っていましたが、その時のお客様はソフトウェアが大事なのだと考えていました。クオリティがちょっと低くても、ソフトでちゃんと満足できたほうがいいのだと。

東北大での3年間の研究生活が終わり、仙台の工場に勤務していたころ(32歳)(写真:『人の力を活かすリーダーシップ: ソニー躍進を支えた激動の47年間 錦織圭を育てた充実のリタイア後』より)

われわれは、エンジニアとして、クオリティばかりこだわっていましたが、お客様の側から見たら、そこが一番ではないかもしれない。

やはりお客様が何を欲しいのかということをきちんと考える必要があり、商品がいいだけではものは売れないということは、ものすごい教訓になりました。