1980年代のドラマ『不良少女とよばれて』や『スクール☆ウォーズ』などに出演し、人気を博した俳優の松村雄基さん。歌手や書家としても活動の幅を広げる中、11月には舞台『クリスマス・キャロル』で主演を務めます。今年還暦を迎えるにあたり、芸能界入りのきっかけから2人暮らしをしていた祖母の介護を振り返りつつ、今後の活動について語ってもらいました。
(構成=上田恵子 撮影=本社◎奥西義和)
(構成=上田恵子 撮影=本社◎奥西義和)
「芸能界でやっていけると思った」と言われて
芸能生活を始めて今年で43周年。この11月に還暦を迎えます。もう還暦だなんて、誰よりも僕自身がビックリしています。(笑)
この世界に入ったきっかけはスカウトでした。たまたま同級生の女の子のお母さんと今の事務所の社長が知り合いだった縁で、声がかかったのです。そのとき僕は14歳、中学2年生でした。
その同級生にはカッコイイ彼氏がいたため、後になって「なぜ彼氏じゃなく俺を推薦したの?」と聞いてみたところ、「彼には芸能界みたいな汚い世界に染まってほしくなかった。でも、あんたが生徒会長として演説をする姿を見て、この人ならやっていけると思った」と言われて。(笑)
確かに僕は当時、生徒会長をしていましたが、彼女は選挙の際、僕に対して不信任投票をしているんです。つまり好かれてはいなかった。推薦の理由を聞いても褒められているのかけなされているのかさっぱりわからず、ポカーンと話を聞いていたことを覚えています。(笑)
僕としては芸能界に興味がなかったので断わるつもりでいたのですが、一緒に暮らしていた祖母から「無下にお断りするのも失礼よ。お会いするだけお会いしてみなさい」と諭されて。後日、六本木にある喫茶店「アマンド」で、社長と面談することになりました。