青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「肺がん手術から5年が経過した人」です。
今回は「肺がん手術から5年が経過した人」です。
罹るとは思ってもみなかった肺がん
肺がん手術から5年が経過した。
いまや、「がんだったんですね」と気遣われながら聞かれても「え、わたし、そうでしたか。そうでしたね、そういえば」と、すっかり忘れている。
肺がんに罹るとは思ってもみなかった。肺がんは、タバコを吸う男性というイメージが大きかった。
自身が病気になり、正しい知識を持ったとき、いかに間違った知識でがんという病気を漠然と怖がっていたかを知った。
まず、肺というものは、左右合わせて5個あるという(びっくり)。
肺がんというと、咳がとまらない、息苦しいというイメージだったが、初期では体の不調はないという(実際わたしもそうであった)。
タバコを吸う人に多い肺がんもあるが、今はタバコを吸わない、そしてアジア圏の女性に増えているタイプの肺がんがあるという(わたしもそれに当てはまる)。
一口に、がんと言っても様々で、できた場所、ステージなどによって全く違う。わたしは肺がんには詳しくなったが、他のがんのことは全くと言っていいほど知らない。