「術後3週間は車の運転、洗髪、洗顔、化粧禁止」と言われ――(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは静岡県の70代の方からのお便り。白内障の主日を受けたことで、ものがはっきり見えるようになったのは良いけれど、ショックなことがあったそうで――。

たかが化粧、されど化粧

白内障の手術を受けた。ものがくっきり、はっきり見えるようになり、気持ちも晴れやか。ただ、自分の顔のしわが残酷なほどよく見えるようになったのはショックだった。

「術後3週間は車の運転、洗髪、洗顔、化粧禁止」と言われる。歩ける範囲で生活できるし、顔はタオルで拭くのみ、洗髪もドライシャンプーでなんとかなるが、化粧禁止というのには困った。

恐る恐るすっぴんで外出してみたが、誰も私を見ていない。次第に慣れ始め、「すっぴんは楽ちん」とふっきれた時、ハタと思い出した。内館牧子さんの本で、中高年の「老いっぱなし」は不作法だ、と書いてあったのだ。

街には、振り返ってしまうくらい素敵な年配の人がいる。しわや白髪はあれど、化粧に限らず服装や歩き方など、とても魅力的だ。私も外出時にちゃんと化粧をし、おしゃれを楽しみたい。

「面倒だからこれはしない」ではなく、「これをする自分が好き」という気持ちで行動したいと思う。化粧の解禁が楽しみだ。


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