森先生「あなたの不調の原因は、更年期ではない可能性がある」(写真提供:Photo AC)
2019年に厚生労働省が発表したデータによると、日本人の平均寿命と健康寿命の差は男性が8.73年、女性が12.7年だそう。これは寝たきりや要介護状態など、自立した生活ができない状態で過ごす期間が「男性は8.73年」「女性は12.7年」あるということです。そのようななか、「更年期をどう乗り越えるかが、のちの人生を左右する」と話すのは、医師の森勇磨先生。その森先生、「あなたの不調の原因は、更年期ではない可能性がある」と言っていて――。

更年期症状と間違えやすい「バセドウ病」

あなたの不調の原因は、更年期ではない可能性もあります。

更年期症状とよく似た症状の出る代表例が、「甲状腺疾患」です。

甲状腺はのどぼとけの下にある臓器で、蝶が羽を広げたような形をしています。ここで「甲状腺ホルモン」というホルモンが作られています。

「バセドウ病」は、この甲状腺ホルモンが異常に多く作られることで、新陳代謝が過剰になる病気です。バセドウ病になると、炎症による腫れにより、眼球が飛び出して見えるという特徴があります(眼球突出には個人差があります)。

バセドウ病の症状に共通しているのは、心身が活発になりすぎることです。その結果、脈が速くなったり、発汗が増えたりするほか、情緒が不安定になることもあります。このあたりの症状が、更年期症状と間違えやすい点です。