2021年に内閣府が高齢者向けに行った調査によると、普段、食生活について気になっていることは「栄養のバランスがとれていない」ことだと答えた人は約2割いたそう。「見た目の若さには、日々の食事が関係している」と話すのは、『老けない最強食』(文春新書)を著したジャーナリストの笹井恵里子さん。さらに笹井さんいわく、「ビタミンCが不足すると、見た目はもちろん、体の内側も老いていく」とのことで――。
果物はビタミンCの量で選ぶ
老けない観点で栄養素を考えた時、野菜なら「色の濃いもの」だが、果物なら「ビタミンCが豊富なもの」から選ぶといい。
肉や魚には微量しかなく、野菜や果物に多いもの──それがビタミンCであり、生のまま食べられる果物なら調理で損失することがなく、100パーセント摂取できるからだ。
ビタミンCが不足すると、シミのもとになるメラニン色素の合成が進み、肌にシミやソバカスができやすくなったり、疲労感が強くなったり、体内の解毒作用もうまく働かない。
見た目はもちろん、体の内側も老いていく。
管理栄養士の早川麻理子氏(名古屋経済大学准教授)は「こまめにしっかり摂ることが重要」と強調する。
「ビタミンCは細胞の酸化を防ぎ、体を構成する重要なタンパク質であるコラーゲンの合成を助け、紫外線で損傷した皮膚を修復します。疲労感を回復させ、免疫力を強化するなど多くの役割を担っていますが、通常ビタミンCは摂取から4時間ほどで体外に排出されてしまうのです。さらに日焼けのような炎症が起きれば、あっという間に枯渇してしまいます。厚生労働省はビタミンCの摂取量として一日100mgを推奨していますが、それではとても足りないことが少なくありません」
特に強いストレスを抱えていたり、運動している人や喫煙習慣のある人はビタミンCが一層消耗されやすい状態のため、食事ごとに果物を摂るといいだろう。