長い人生、いつも明るい気分でいるのは難しいもの。笑顔が輝く81歳、92歳、101歳の3人の女性は、山あり谷ありの日々をどう歩んできたのでしょうか(撮影=藤澤靖子)
限界まで我慢せず早めにリセット
東京・杉並区の住宅街に、戦後すぐに建ったという古い木造の家がある。「『お祖母ちゃんの家みたい』ってよく言われます」と微笑むのは内田良子さんだ。81歳の現在も心理カウンセラーとして活動し、26年前には自宅の一角を開放して「子ども相談室 モモの部屋」を開設。不登校の子どもたちとその家族のグループ相談会を続けている。
そんな内田さんだが、小さい頃は体が弱く、「この子は20歳まで生きられないだろう」と周囲から言われていたという。
「それは悲しいというより、私にとってすごくハッピーなことでした。だって20歳から先のことは考えなくっていいんだもの。それなら、好きなことを思う存分できるじゃない、って(笑)」
自分で織った服を着て、自分で焼いた茶碗でご飯を食べて、手づくりの生活で20歳まで好きに生きようと子どもの頃は思っていたという。けれど小説を書きたいという夢が芽生えると、人間の心理を理解するために大学で心理学を学びたいと考えるようになった。