『沿線格差』という言葉を目にすることが増えましたが、フリーライターの小林拓矢さんいわく、「それぞれの沿線に住む人のライフスタイルの違いは、私鉄各社の経営戦略とも深くかかわっている」のだとか。今回はその小林さんに「相模鉄道沿線の魅力と実情」を紹介していただきました。小林さんが言うには「相模鉄道が大手私鉄として認識されるようになったのは、比較的最近」だそうですが――。
相模鉄道沿線の魅力と実情は?
神奈川県内のみの路線網ではあるものの、東急電鉄やJR東日本を介して都心に乗り入れることで知名度と存在感が大きく上がった相模鉄道。
そもそも、首都圏の大手私鉄として認識されるようになったのは、比較的最近のことである。
相模鉄道は、1990(平成2)年5月末に、日本民営鉄道協会において「準大手私鉄」から「大手私鉄」へと昇格することになった。
現在では10両編成や8両編成の列車が当たり前に走っている鉄道事業者ではあるものの、住宅地に通勤電車を走らせるという形態になるまでは紆余曲折(うよきょくせつ)があった。
そもそも、相鉄グループの源流は、橋本と茅ケ崎(ちがさき)を結ぶ現在のJR東日本相模線である。
この路線が相模鉄道として開業した。