厚生労働省によると、認知症の患者は2025年に約700万人まで達するとされています。一方で「認知症の症状は、お天気と同じで晴れたり曇ったり。思うようにいかない日があれば、心が通じ合う<晴れ>の瞬間もある。周囲はそんな<晴れ>を増やす方法を知っておくことが大切だ」と理学療法士の川畑智さんは語ります。その川畑さんいわく、認知症の人とスムーズにコミュニケーションをとるには、5つのポイントがあるそうで――。
不安に寄り添う気持ちを忘れないで
認知症の方とのコミュニケーションは、簡単ではありません。
同じことを繰り返し聞かれたり、何度言っても話を理解されなかったり、
「もう、どげんすればいいのかわかりません!」
と苦しさを打ち明けてこられるご家族の気持ちは、よくわかります。
でも、同じことを何度も聞いてしまうのは、記憶に障害が起きているためです。
話を理解できないのは、言葉に関する脳の領域が衰え、「失語」の症状が出ているためです。
そして、自分に起きている異変に気づき、失敗を繰り返す自分を、ご本人が一番情けなく、悲しく感じていることが少なくありません。
どうか、その不安に寄り添う気持ちを忘れないでください。