いい褒め方と、悪い褒め方
ところが、褒めることは案外難しいことでもあります。
ついクセになってしまい、なんでもかんでも「すごい、すごい」と褒めがちです。
服を着ることができた、トイレをうまく済ませられたというようなことをむやみに褒められると、逆に「これくらいのことを大げさに褒めるなんて、バカにしているの?」と、不快に思われることもあります。
褒めるメッセージの出し方を間違えると、「全然褒められていない」「私のことをわかってくれない」となってしまう。
言われたほうは「私は子どもじゃない!」となってしまうわけです。
想像してみてください。大の大人であるあなたが、小学生にかけるような褒め言葉を浴びせられたら、むしろ腹が立ちますよね。
私たちはつい忘れてしまいがちですが、認知症の人は、できないこと、苦手なことが増えていくだけで、豊かな感情はしっかりと保たれています。
認知症である前に「大人(ひと)」なのです。