総務省が公表した資料「統計からみた我が国の高齢者」によると、総人口に占める65歳以上の割合が過去最高の29.1%と推計されるそう。「超高齢化社会」の真っ只中、今年92歳を迎えた評論家・樋口恵子さんは「長生きするなら、幸せの時間も2倍にしましょう!」と明るく語ります。「人生100年時代」を楽しく生き抜くための知恵が詰まった書籍『人生100年時代を豊かに生きる ヨタヘロしても七転び八起き』から、樋口さんの体験談をお届けします。
えー、89歳でもがんになるの!?
89歳のある日、左乳房にしこりのようなものを発見しました。
皮膚の表面がちょっと硬くなっているんですね。もう少し若い方なら乳がんを心配なさるでしょう。でも、私の年齢では、とっくに卒業したものと思っておりました。
ところが、病院で検査してもらったら、これは確かにがんである、と。驚きました。
「この年でも乳がんになるんですか?」とうかがうと、「100歳でなる方もいます」で、2度びっくり。
進行はおだやかでも、がんはがん。今のうちに手術で取ってしまうのがいちばんだという診断でした。
たとえ小さな乳がんであろうと、場所が場所。手術は部分麻酔というわけにはいきません。
全身麻酔で行うことになりますが、高齢者にとってのネックは、やはり心臓に大きな負担がかかること。人にもよるのでしょうが、危険なく手術を行うためには、3年でも5年でも若いほうがいいのだそうです。