(写真提供:Photo AC)
アメリカの心理学博士エレイン・N・アーロンが提唱した、生まれつき敏感で周りの刺激を受けやすい性質を持つ人を指す「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉が近年話題です。そんななか、心理カウンセラーの時田ひさ子先生は「好奇心旺盛なのに傷つきやすいHSP」を指す「HSS(High Sensation Seeking)型HSP」を専門にカウンセリングを行っています。そこで今回は、時田先生の著書『かくれ繊細さんのめんどくさい疲れを手放す本』から、「HSS型HSP=かくれ繊細さん」ならではの特性を一部ご紹介します。

かくれ繊細さんゆえの疲れとは?

かくれ繊細さんからいただいた「疲れる」に関する声からわかることとしては、皆さん、「かくれ繊細さんならではの疲れ方」をしているように見えます。

かくれ繊細さんの疲れ方の1つめの共通点は、「一般的には気にならないようなことが気になって仕方がなくて疲れる」ということです。

たとえば、前を歩いている人がゆっくりで、その人を追い越す時になんだか「悪いな」と感じてしまい、自分がややゆっくりになったりします。

追い越す瞬間に「え? 追い越した?」と驚かれるんじゃないかということが気になって、追い越すに追い越せなくなります。おそらく多くの人は、そのようなことは気にならないことなのでしょう。でも、かくれ繊細さんは気になってしまいます。

2つめの共通点としては、「どうしてそうなるのだろう?」と、因果関係に敏感であるということです。

たとえば、誰かが急に約束の日程を変更したいとメッセージしてきたとしましょう。あなたはすでに、その予定に向けて準備をしていたので、できれば変更してほしくありませんでした。

そんな時でも、変更の申し出があれば、かくれ繊細さんは「きっとすごく重大な理由があるのだろう」「もしかしたら、ずっと言い出せなくて困っていたのかもしれない」「最初からスケジュールが合わせづらかったのかもしれない」「ならば、変更も致し方ないな」と考えます。

これは、相手が不快な申し出をしてきたにもかかわらず、相手に腹を立てるのではなく、代わりに因果関係を考慮して納得しようとしていると言えます。

かくれ繊細さんは、このように「相手に悪気があってやっていることではないなら、文句なんか言っちゃいけない。気持ちよく協力しよう」と、自分の中で丸く収めようとしすぎて疲れてしまいます。

こんなふうに、「普通そんなことは考えもしないよ」ということにエネルギーを使います。