(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
経済アナリストとして、テレビ・ラジオなど多くのメディアで活躍する森永卓郎さん。2023年末にがんであることを公表してからも、病気と闘いながら活動を続けています。森永さんは、がん宣告をきっかけに「自分の後始末は自分で」と、身の回りのモノの整理を始めたそう。今回は、森永さんの新著『身辺整理 ─ 死ぬまでにやること』から一部引用、再編集してお届けします。

お金をかけずにモノを捨てる方法

もちろん業者に依頼すれば経費がかかる。

ネットには、遺品整理や生前整理の広告が溢れているが、実はそこに登場する業者は、費用も、質もピンキリだ。

悪質な業者だと、依頼主に確認せずに大切なものを処分してしまったり、作業中に次々に追加費用を請求して、当初の見積もりの数倍から、下手をするとけた違いの料金を請求してくる。

私もネットでみつけた業者を徹底的にリサーチして、家の近所に拠点を持つ「エコトミー」という新進の「片付けサポーター」に依頼した。

依頼の電話への反応が迅速で、話をすると誠実に仕事に取り組む姿勢が伝わってきたからだ。

実際、作業を担ったスタッフは、とても丁寧に、一生懸命作業をしてくれた。

私の研究室の場合、料金は10万円を下回った。おそらく相場よりもずっと安いと思う。

ただ、実は研究室の整理は、ある意味で、「筋のいい」案件だ。

余計な生活用品はほとんど存在せず、また引き取った本も、その多くが古書店で引き取ってもらえるからだ。ただ、実際に生活していた家財道具を処分するときには、そうは行かない。

生活の基盤となっていた住居の生前整理や遺品整理には、想像を絶するコストがかかってくる。