寒さとともに、首や肩のコリはつらさが増すばかり。とりわけ起床時は全身のこわばりを感じる人も多いでしょう。簡単で効果が期待できるストレッチ方法を指南してもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
コリの最大の原因は、姿勢の悪さ
近年、年齢を問わず、首や肩のコリを訴える人が少なくありません。そもそもコリは、なぜ起こるのでしょうか。
「最大の原因は、姿勢の悪さです。とくによくないのが前かがみの姿勢。スマホ、PCの使用や家事などで前かがみになると、重さ約5キロもある頭を支えるため、首の後ろや肩、背中の筋肉に大きな負荷がかかります」と話すのは、ストレッチや筋トレについて研究している中村雅俊先生です。
筋肉は、対になってバランスを取っています。上半身の場合、体の前側に大胸筋という大きな筋肉があるのに対し、背中側は小さな筋肉の集合体。大きな筋肉ほど引く力が強いため、気をつけないと前に引っ張られて前かがみになりがちなのだとか。
「首の後ろ、肩、背中の筋肉は、上体を後ろに引き戻すために働き続けることで、疲労がたまります。次第に引き戻す力が衰え、やがて猫背になるのです」(中村先生。以下同)