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日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「江戸の庶民が励んだもの」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

江戸時代の人口

さて『べらぼう』の舞台となる江戸時代。

戦のない平和な時代の中で、人口が増大したことを前回お話ししました。

1600年に1200万人だった日本列島の人口は、1700年までになんと2500万人になりました。

ではその後は? 

そのあとは人口の伸びは鈍化し、江戸時代の終わりまでは3000万人くらいになったといわれています。つまり江戸時代というのは、3000万人を養う社会システムだった、とも言えるでしょう。

さらに言えば、人口がこれ以上になるためには、明治維新を迎える必要があった、ということです。