シニア世代の家計は、現役世代と比べてどのような特徴があるのでしょうか。赤字生活に陥らないために、予算オーバーしやすい項目ごとに支出を見直すポイントを伝授します。ここからは、高齢期に増えがちな5つの支出とその対策について解説していきます(構成=村瀬素子)
【保険料】金額ではなく保障内容をチェック
支出を見直す時、真っ先に候補に挙がるのが民間の保険料。毎月決まった金額が引き落とされる固定支出なので、一度削減すれば継続して節約効果が得られるからです。
ところがシニア世代の場合、せっかく見直しても逆に保険料が高くなるケースが多く見られます。今は介護保険、認知症保険、がん保険など種類が豊富。年を重ねるほど病気の罹患率や要介護の認定率は高まるため、保険代理店などに相談するとあれもこれもと勧められ、契約してしまうようです。
大事なのは、その保障が本当に必要なのかを熟考すること。自分に合ったものをピンポイントで選べば、保険料は抑えられます。
たとえば、「がん家系だからがん保険には加入しよう」と考えた場合。がん保険にもさまざまな保障がありますが、入院保障は医療保険に入っていればカバーできるので、自由診療の可能性もあって高額になりがちな「抗がん剤」の保障だけに絞って加入するのも一案です。医療保険と合わせても、月5000円以内に収まるでしょう。