(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が公表している「令和5年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2023年に心疾患で亡くなった人は23万1,056人で、1位の悪性新生物(がん)の38万2,492人に次いで多い死因となっています。そんななか、「動脈硬化から引き起こされる心臓疾患は防ごうと思えば防げる病気」と語るのは、心臓血管外科医の渡邊剛さんです。今回は、渡邊さんの著書『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』から一部を抜粋しお届けします。

カリウムが不足すると血圧が上がる

第5の栄養素といわれるミネラルの中にも、血管に影響を与える成分がいくつかあります。

ひとつ目は、カリウムです。

カリウムには、余分なナトリウムがあると水と一緒に尿として排出する働きがあります。不足すると、血管内のナトリウムと水分をうまく排出できなくなり、血圧が高くなります。

また、カリウムには血管内の酸化ストレスを軽減させる働きもあります。

カリウムが豊富に含まれるのは緑黄色野菜やバナナ、海藻類、きのこ類などです。

2つ目は、マグネシウムです。

マグネシウムは、「天然の降圧剤」ともいわれ、血管の緊張をやわらげ、血管の弾力性を保つ働きがあります。

マグネシウムの吸収を高める作用があるカルシウムを併せて摂るとより効果的です。

マグネシウムが豊富に含まれるのは大豆製品、ナッツ類、小魚などです。