内閣府が公表した「令和7年版 高齢社会白書」によると、令和5年の平均寿命は、男性が81.09年、女性が87.14年です。80歳以上の高齢者が増えるなか、93歳の評論家・樋口恵子さんは「楽しげに生きると決めると、いいことが始まる」と語ります。今回はそんな樋口さんの著書『93歳、あとは楽しげに生きる ヨタヘロな私の心得69』から一部を抜粋し、「幸せを呼び寄せるヒント」を紹介します。
楽しげにふるまっていると、いいことがある
「楽しげに生きる」
これは、93歳になった私が大切にしている自分との約束です。
「楽しく」と、「楽しげ」は似ているようですが、意味は大きく異なります。「楽しげに生きる」とは、楽しいことがなくても、自ら、果敢に、楽しみを見つけていこうという意志がなければ実現しません。年齢とともに、腰が痛んだり、もの忘れが多くなったり。そんな不機嫌のタネが増えていくからこそ、ちょっとだけ楽しいふりをすることが大事だと思っています。
楽しげにふるまっていると、いいことがあります。
ひとつは、人との関係がよくなること。こちらがニコニコしていると、相手もニコニコしますから、おたがいに居心地がよくなります。年をとると、外出の機会が減り、社会とのかかわりも少なくなってきますが、せめて目の前の人と、敬意と感謝の気持ちを持ってつきあっていきたいものです。