「健康診断にひっかかってしまった」「お腹まわりが気になる」「疲れがとれない」といった悩みはありませんか?生活習慣病・肥満治療の専門医である牧田善二先生は、「『健康に良い』と信じて実践していることが、じつは健康に良くなかったり、なんとなく習慣化していることが健康を損なう結果につながっていたりします」と語ります。そこで今回は、牧田先生の著書『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』から一部を抜粋し、「栄養学の正しい知識」をご紹介します。
食生活の改善で病気はどこまで防げるのか?
病気の多くは、食生活の改善で予防できます。
というのも、私たちの体は食べたものでできているからです。食べるものを変えるだけで、体は驚くべき変化を遂げます。
ただし、「食べたものでできている」といっても、食べたものがそのまま体に蓄積されるわけではありません。非常に高度な仕組みを経て、食べたものがさまざまな成分となり、体の各所で働いています。
たとえば、豚肉とほうれん草炒めと米飯を昼食として食べたとき、口で味わう段階では、豚肉とほうれん草と米飯です。その後、胃で消化されて、小腸から血液中に吸収される段階では、アミノ酸、脂肪酸、ブドウ糖、ビタミン、ミネラルなどの栄養素に分解されています。
ここで吸収される栄養素こそが、私たちの体を動かしているのです。「夏バテしたときにうなぎを食べると元気が出る」と感じる人は多いでしょう。それはうなぎ自体が夏バテに効いているのではなく、消化・分解された後の栄養素が効いているわけです。