現在放送中の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。日本のメディア産業・ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物〈蔦重〉こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描いたドラマも、まもなく完結へ。そこで12月14日の最終回を前に『べらぼう』の脚本を担当された森下佳子さんからお話を伺いました。(取材・文:婦人公論.jp編集部 吉岡宏)
横浜流星さんの印象は…
横浜流星さんの印象は「むき出し」というか、”ゴロン”とその身を差し出す役者、というもので。それは撮影の最初から、最後まで全く変わりませんでした。
普段、そこまでおしゃべりなタイプでもないと思うので、蔦重のようにネアカで、ずっとしゃべっている役を生きるっていうのは、すごく負担をかけたところもあったのでは。
なんせセリフの量も膨大ですし…。やっぱり大変だったんじゃないかな。
(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)
だからと言って、勝手にご本人の印象に寄せるのも、彼のような役者にとって、むしろ失礼と考えていて。その意味で「横浜さんのイメージに合わせて書く」ということはしませんでした。
ただ横浜さんから、ちょいちょい質問や意見をいただくんですね。たとえば、蔦重は吉原を出て、日本橋に進出しましたが「俺だったら行かないと思うんだよなあ」とか、そういったことをちょろっと。
そんな意見が出たら都度一緒に考えて。そこはちゃんと筋が通るように私が整理しなければ、なんて思いながら書き進めました。
とにかく彼は、役への詰め方が半端ではない。外側から入る、というより、内側から役を作っていく方法論をとられていると思うし、その意味で質問をよく頂いて。
たまに、蔦重の陽気すぎる江戸っ子気質に合わせてヘン顔をされた際には「そこまでせんでええよ…」と思ったりしながら、テレビの前で拝見しておりました。