25年6月に史上初の女性会長に選出された清水市代女流七段。東京・千駄ヶ谷の将棋会館にある「棋の音道場」にて(撮影:洞澤佐智子)
2024年、創立100周年を迎えた日本将棋連盟。25年6月に史上初の女性会長に選出されたのが清水市代女流七段です。女流棋士としての圧倒的な強さ、あたたかな人柄、わかりやすい解説でファンが多い清水さんに新会長としての思い、将棋の魅力と未来について聞きました。(構成;山田真理 撮影:洞澤佐智子)

羽生・前会長から引き継いで

日本将棋連盟の会長は、理事の互選で決まります。実は人づてに「候補に挙がっていますよ」と聞いてはいたのですが、何といっても前会長が羽生善治さんですから、いやいやまさか、と。6月の総会後の理事会で選出されたときは、「本当に私でよろしいのでしょうか?」と内心驚きました。

けれども選んでいただけたことは、このうえなく光栄なこと。自分が人生を懸けてきた将棋界にご恩返し――というと大げさですが、微力でもお役に立てることがあればお引き受けしよう、と気持ちを切り替えました。

引き継ぎにあたり、羽生さんからはいつもの飄々とした口ぶりで「清水さんの思い通りにすればいいんですよ」「私の真似をする必要はありません」とお声をかけていただきました。

就任記者会見を無我夢中で終えた翌日、「史上初の女性会長の誕生」というニュースへの反響は、読み筋(頭の中でその先の局面を予測すること)をはるかに超えていましたね。こうして取材していただくことはもちろん、イベントなどで女性の方からも「活躍がうれしい」「励みになります」と声をかけていただくことも増えました。

また、長年応援してくださっているファンの方々からは、励ましの言葉に加えて、「激務になるから、くれぐれも体調に気をつけて」というご心配も。というのも私たち理事は、年間を通じて多くの棋戦に出場する現役の棋士でもあるからです。

8年前、自ら立候補し、理事の一員になったときから覚悟はしていましたが、四六時中将棋のことだけ考えていればよかった毎日から、今は連盟全体に目を配りつつ、将棋の普及を目指し、新たに勉強することが山積みです。