noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬についてのエトセトラ」。第19回は「子持ちの私が抱く、『身軽に動ける自由な人』への嫉妬」です
母親の私は簡単に身動きが取れない
「今、◯◯さんたちと飲んでるから来ない?」
「◯月◯日、下北沢の書店でトークイベントを開催します。ぜひ来てください!」
急なお誘いや、東京や大阪でのイベントに「行きます!」と即答できる人が羨ましい。
彼らにとって、行く行かないの判断は、カレンダーの空きを確認する数秒の作業くらいなんじゃないだろうか。その数秒の裏側に、冷蔵庫の中身をタッパーで埋め尽くしたり、夫の機嫌を伺いながら稟議書を提出したりするような手間はなさそうだ。
私は中学生と小学生の息子を持つ母親で、愛知県に住んでいることもあり、そう簡単に身動きが取れない。どうしても行きたいイベントや用事で家をあける場合は、子どもたちのご飯の手配、着替えや弁当などの準備、夫のスケジュールの調整(何かあった時に学校へ迎えにいける距離にいるかどうか)、子どもたちが病気やケガをした場合の薬類の確認、病院の診察券、保険証など、各方面の用意をしなければならない。
