高校3年間をロンドンで過ごして
1歳で芸能界デビューし、8歳のときに、NHK大河ドラマ『天地人』で主人公・直江兼続の幼少期を演じて大ブレイク。トヨタ自動車のCM“こども店長”も大人気で、国民的子役として注目の的に。そんな加藤清史郎さんも今や18歳。この数年は仕事をセーブしているように見えたが、ここへきて映画の主演や舞台への出演が相次いでいる。
実は、2020年の3月までの3年間、ロンドンの高校に留学していたんです。日本の学校の付属校なので生徒は日本人だけだったのですが、寮母さんや食堂のシェフはイギリス人。週末はウェストエンドにミュージカルを観に行ったり、現地の演劇学校に通って、英語のプログラムに悪戦苦闘しながら(笑)、お芝居の勉強もしてきました。
留学しようと決めたのは、小学校6年生のときに『レ・ミゼラブル』の舞台に出演したことがきっかけです。新演出ということで、イギリスから本場のスタッフが訪れて、英語で指導を受けながら稽古をしました。
もちろん、すべて通訳さんを介してコミュニケーションしていたんですけど、通訳さんなしでダイレクトに会話ができたら、自分が演じる役ももっといいものにしていけるんじゃないかって。それで、英語を喋れるようになりたいと、そのときからずっと思っていたんです。
もうひとつの理由は、中学2年生のときに、「これからも俳優として生きていく」と覚悟を決めたから。今、10代の僕が70代、80代まで続けていける仕事です。だったら、今のうちにいろいろな勉強をして、役者としての土台作りをしようと。
中学生になって声変わりが始まり、子役時代と比べ、顔つきや体形も変わっていくので、役者としても中途半端な時期。じゃあ、この期間に知識や経験を蓄えておこうと考えました。
ロンドンでは本場のお芝居やミュージカルが観られるのはもちろんのこと、数々の名画が見られる美術館や博物館もたくさんあります。そんな環境の中で、芸術的センスを磨きたいと思ったんです。