(写真:Adobe photo stock)
なんとなく気分が晴れない。夜、理由もなく不安になる。体の不調は病院で相談できても、「こころの不調」は後回しにしていませんか? 内科医であり心理カウンセラーでもあるDr.野上は、日々の診療のなかで“心と体は切り離せない”と実感してきました。本連載では、がんばりすぎてしまう大人世代に向けて、今日からできるやさしいメンタルケアをお届けします。

毎年4月に「医療現場」で起こる現象とは

4月は、日本社会において特別な意味を持つ季節です。入学、入社、異動、昇進、転勤…。社会全体が一斉に新しいスタートを切り、街には新しいスーツを着た新社会人や、新しい制服の学生の姿が増え、希望に満ちた雰囲気に包まれます。

しかし医療の現場では、この時期になると毎年ある現象が起きているのです。

それは、4月から5月にかけて心身の不調を訴える人が急増するということ。

外来では次のような症状を訴える人が増えてきます。

●眠れない

●胃腸の調子が悪い

●頭痛やめまいが続く

●食欲がない

●集中力が続かない

●朝起きるのがつらい

こうした症状は「五月病」と呼ばれることもありますが、実際には多くの場合、4月の段階から静かに始まっています。

そして興味深いのは、この不調が「頑張っている人」「責任感が強い人」「仕事で成果を出している人」に多く見られるという点です。

その背景には、年度末から新体制への移行が人間の脳や自律神経に与える影響があります。