101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社) から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。
<次の世代へ伝えたい本当の豊かさ>
大切なものは親がきちんと与える
老いてから若い人に学ぶことが増える一方で、若い人との付き合いの中で伝えておきたいことも多くあります。
そのひとつは親が子どもに与えるものについてです。
親が与えられるのはお金だけではありません。美しいものを美しいと感じる心や、人や自然に対する優しさといった、お金では買えないけれど、人間にとって大事なものがたくさんあるはずです。
目上の人に対する話し方、食事のマナー、公共の場所でのエチケットといったしつけも、親がしていくものでしょう。そうしたものを身につけていきながら、子どもは半人前となり、一人前になっていくのです。
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ただこのしつけが、近ごろはだいぶ怪しくなっていると言われています。実際企業では、新入社員が入ってくると「しつけをやり直さないと使えない」という声をかなり聞きます。
何でも買える豊かな時代だからこそ、お金で買えない大切なものを、親がしっかり与えていくことが理想です。教育も、人としての生き方とか、ものごとの判断力などは、家庭で養うのだということを親は考えておいてほしいと思います。
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